Iroishi Checker
No. 080 / 141

合成アレキサンドライト(フラックス/水熱法)

SYNTHETIC ALEXANDRITE (FLUX / HYDROTHERMAL) · ごうせいあれきさんどらいとふらっくす
合 成色 変 化
基 本 情 報Properties
硬 度8.5
比 重3.68-3.78
屈 折 率1.741-1.760
結 晶 系斜方晶系(クリソベリル)
色 の 範 囲Color Range

天然に極めて近い変色性。灯で緑、白熱灯で赤紫。

紫 外 線 反 応UV Response
長 波
365 nm
強い
短 波
254 nm
中程度の
典 型 的 内 包 物Inclusions
  • フラックス状の不定形
  • 溶媒包有物
  • 結晶化痕(ときに三角形・六角形)
光 学 的 性 質Optical Traits
  • 天然に近い変色性
  • あり
  • クリーンな個体も多い
識 別 の 要 点ID Points
  1. 01ルーペでフラックス状・不定形を確認
  2. 02FTIR・紫外可視分光分析で天然と識別
  3. 03は天然と同一
類 似 石Similar Stones
取 扱 い の 注 意Care
  • 8.5で扱いは天然と同じ
  • 超音波洗浄は基本的に可
市 場 価 格Market
PRICE RANGE

1カラット数万〜10万円超。

※ Chatham(米)、京セラ(日)、Tairus(露)などが製造。天然との外観差が極めて小さく、鑑別にはラボ分析が必須。

概 要Summary

・水熱法による合成アレキサンドライトは、融剤または高温高圧水中で結晶を成長させる方法で、天然に極めて近い光学特性とを示します。主要製造元はChatham(米)、京セラ(日)、Tairus(露)。外観だけでの天然識別は困難で、専門ラボによる赤外分光分析(FTIR)が必要です。

由 来 と 歴 史Origin & History

主 な 産 地

1973年ロシア・ノヴォシビルスク科学都市で開発された合成アレキサンドライト(『チョフラル・アレキサンドライト』)が著名。日本では1975年京セラ株式会社が独自による『京セラ・アレキサンドライト』を発表し、量産化に成功しました。米国(クレスコ・ジェムストーンズ)、タイも合成産地。フラックス(融剤)として酸化鉛・酸化モリブデン等を用い、長期間(数か月)かけて結晶を成長させます。

歴 史

1973年合成開発当時、では再現不能だったアレキサンドライト効果(クロム含有による色変化)の完全合成が世界で初めて達成されました。京セラの稲盛和夫が宝石事業として参入し、1975年『京セラ・クレサンベール』ブランドで国際展開。GIAは合成アレキサンドライトの鑑別法(フラックス・インクルージョン)を1980年代に確立しています。

伝 承 ・ 石 言 葉

6月の誕生石(合成石)。石言葉は『再生』『進化』『可能性』。人の手で生まれたカラーチェンジから『科学が紡ぐ宝石』と呼ばれ、創造性と進化の象徴。

OBSERVATION TOOLS · 5 ITEMS

こ の 石 を 確 か め る 道 具

合成アレキサンドライト(フラックス/水熱法)を観察するときに役立つ道具です。クリックすると鑑定道具ページの該当解説に移動します。

References
最終確認日
2026年4月28日
参 考 文 献

本ページの物性値(屈折率・比重・硬度・結晶系等)は、上記の権威ある一次資料を相互参照して編集しています。最新の鑑別研究の進展により値が更新される場合があります。